マヤ反薬物トランスナショナルオンラインコンテスト。反アルコルや薬物中毒ビデオ、写真、ポスター、絵画

ホーム / 麻薬の悪影響 /

「コアクシル」の十字架を背負って

 「コアクシル」の十字架を背負って

多くの麻薬と同様、コアクシルも本来はうつ病治療などの薬剤としてつくられたものだ。ところが、合法的な飲み薬で、手の届く値段のこの抗うつ剤が、静脈注射という方法で最も強い麻薬剤になることが麻薬患者に知られてしまったのだ。このやり方を誰が最初に思いついたのか定かではないが、今や全世界の依存症患者がこの方法を用いるようになっている。患者は、街の薬局で買ってきたコアクシルの錠剤をすりつぶして粉にし、それを水に溶かして「静脈に塗りこむ」わけだ。素人的な条件のもとでは微細な粉末に仕上げられるわけがない。注射によって血液中にかなり大粒の結晶が解けないまま入りこむため、血栓を起こす可能性がある。血栓を起こしたら、どんな結果になるのか、麻薬使用の害は計り知れない。

この薬剤を経口使用した場合でさえ、深刻な副作用がある。うつ病治療のため経口投与して何週間か経つと、患者の歯はぼろぼろになってしまい、抜かざるをえなくなる。ということは、麻薬患者が行っているやり方でコアクシルを静脈内に注入すればいったいどのような副作用が現れるか、容易に想像がつくというものだ。薬剤に触れて血液が凝固してしまう。そして、何十回か注射しているうちに壊死した血液が増え、結局広範囲にわたる壊疽を引き起こすことになる。

いわゆる「禁断症状」の激しさはヘロインを優に上回る。麻薬をやめたとたん、心不全を起こして死んでしまうものも多い。幸いにして、強靭な肉体のおかげで死ななくて済んだとしても、心理的な依存症とうつ病の症状に陥らないものはない。コアクシル中毒だったものの多くは、苦しさに耐える力を失い、人生に降りかかる諸々の困難を乗り越える力もなくなって、ついには自ら命を絶ってしまう。

つまり、一旦コアクシルを麻薬として使い始めたら、その人間は一生重い十字架を背負うことになるのだ。そうなったら残る人生は3通りしかない。壊疽で死んでしまうか、禁断症状に苦しみつづけるか、さもなくば、よくて、無味乾燥で鉛色の人生を送るだけだ。何をしようがしまいが、喜びも満足感もない重苦しく味気ない人生を。

  • Facebookで共有
  • Twitterで共有
  • LiveInternetで共有
  •  LiveJournalで共有
薬物中毒の悪影響 麻薬を吸うのはどうやってストップできるのか 薬物中毒者の生活から悲しいストーリー